プログレッシブ・ロック・レコード・レヴュー

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プログレッシブ・ロックとアルバムの個人的随想

King Crimson キング・クリムゾン

 よくもこの名前をつけたものだ。まさにプログレッシブ・ロックのKINGであることに異論を唱える者は少ないだろう。当時、ヒットチャートのNO1はビートルズのアビーロード、優しさ、激しさ、複雑さ、演奏レベル、どれをとっても最高のレベルにあったこのアルバムを1位の座から引き摺り下ろしたのは、クリムゾンのデビューアルバムなのである。

 有名な話であるが、実はデマらしい、実際はチャートの3位だったのだ。しかし、そんなデマさえクリムゾンのすばらしさを表現するものでしかないのだ。
 
 YESが4枚目5枚目で最高レベルに達したのと好対照で、クリムゾンは1枚目に途轍もないアルバムを発表したのだ。

 そのサウンドは一言で言えば「暗く重苦しく強烈」、そこに明るさや楽しさはなく、ロックンロールのリズム感はない。それなのになぜこれほど人をひきつける魅力があるのか、体の底から湧き上がるような不思議なリズム感は一体何なんなのだろうか?

 そのサウンドがクラシックやジャズに通じる、などという表現が陳腐に感じられるほど、クリムゾンの音楽は遥かに崇高で孤高の芸術なのだ。

In The Court Of The Crimson King / クリムゾンキングの宮殿

In The Court Of The Crimson King / クリムゾンキングの宮殿
 
1969/10 ★★★★★
- SIDE A ---------------------------------------
21st Century Schizoid Man
  / 21世紀の精神異常者
I Talk To Wind / 風に語りて
Epitaph / エピタフ(墓碑銘)
- SIDE B ---------------------------------------
Moon Child / ムーンチャイルド
The Court Of The Crimson King / クリムゾン・キングの宮殿

- PERSONNEL -------------------------------------
Robert Fripp / ロバート・フリップ(ギター)
Ian McDonald / イアン・マクドナルド(キーボード)
Greg Lake / グレッグ・レイク(ボーカル・ベース)
Michael Giles / マイケル・ジャイルス (ドラム)
Peter Sinfield / ピーター・シンフィールド(作詞)

 このアルバムを始めて聞いたときの衝撃は忘れられない。高校生だった私は、事前にこのアルバムの曲を1曲も聴いたことがない常態でこのアルバムを購入した。いわずと知れた名盤中の名盤だ。
 それまで、ビートルズのロックこそが最高と考えていた高校生が、この不気味としか言いようのないジャケットのアルバムの購入に踏み切ったのはなぜか不明だが・・・

 たまたま誰もいない家のステレオは大音量に設定、レコードのふちでプチプチとなる音がでかい、そして途轍もないブラスが鳴り出したときは、心臓が飛び出んばかりに驚き興奮したものである。
 キング・クリムゾン以前にもイエス、ピンク・フロイド、ムーディー・ブルースなど独創的で先進性をもったバンドは存在したが、このアルバムがプログレッシブ・ロックを決定的に確立した記念碑的アルバムであることは疑いがない。
 曲の雰囲気はもちろん歌詞やジャケットデザインにいたるまで、神秘的で、独自の世界観を持った作品である。
 リーダーはロバート・フリップと言われるが、このアルバムにおいては明らかにイアン・マクドナルドが中心である。

「21世紀の精神異常者」はギターとブラスのリフを前面に押し出したヘヴィな作品、タイトルも強烈だが、演奏はさらにすごい。「風に語りて」や「エピタフ」「ムーンチャイルド」一転穏やかなサウンドである。しかし重厚で暗く他にはありえない雰囲気を持っている。「クリムゾン・キングの宮殿」も優れた曲である。アコースティックギターのリフはとても通常の発想ではなく、そのオリジナリティと雰囲気つくりはすばらしいとしか言いようがない。

In The Wake Of Poseidon / ポセイドンの目覚め

In The Wake Of Poseidon / ポセイドンの目覚め
 
1970/5 ★★★
- SIDE A ---------------------------------------
Peace - A Beginning / 平和/序章  
Pictures Of A City / 冷たい街の情景
Cadence And Cascade
  / ケイデンスとカスケイド  
In The Wake Of Poseidon
  / ポセイドンの目覚め
- SIDE B ---------------------------------------
Peace - A Theme / 平和/テーマ  
Cat Food / キャット・フード  
The Devil's Triangle / デヴィルズ・トライアングル  
Peace - An End / 平和/終章

- PERSONNEL -------------------------------------
Robert Fripp / ロバート・フリップ(ギター)
Greg Lake / グレッグ・レイク(ボーカル)
Michael Giles / マイケル・ジャイルス(ドラム)
Peter Giles / ピーター・ジャイルス(ベース)
Keith Tippett / キース・ティペット(ピアノ)
Mel Collins / メル・コリンズ(サックス・フルート)
Gordon Haskell / ゴードン・ハスケル(ボーカル)
Peter Sinfield / ピーター・シンフィールド(作詞)

 アルバムの雰囲気は、まさに「宮殿」の続編風である。ジャケットの紙質もちょっと厚手でつや消し、柔らかい手触り1作目と同様である。
 しかし、バンドの中心であったイアン・マクドナルドはここにはいない。おそらくこのアルバムで主導権をとったのはフリップではないだろうか。「ポセイドンの目覚め」は前作に共通する雰囲気を持っているが、「冷たい街の情景」「キャット・フード」などは、新しい試みである。さらに「デヴィルズ・トライアングル」になると前衛的過ぎる上、恐怖映画サントラ以上に怖い。普通の人にはオススメできないなぁ。
 新たに加わったキースやメルの影響で明らかにフリー・ジャズ風な感じになっている。ファンも「ちょっとついて行けない!」なんて感じたんじゃないだろうか?「21世紀」で感じた、不気味で強烈でわけわからんが、なんだかカッコいい、と言う感覚の「カッコいい」と感じる部分は薄れている。
 でも、私は結構お気に入りなのだ。
 日本語タイトル「ポセイドンの目覚め」と言う訳は、誤訳であると言う説がある。ウィキペディアによると。「ポセイドンの跡を追って」という意味らしい。
 辞書で調べるとwake は動詞で「目が覚める」「起こす」と言う意味はあるのだが、the を伴って使うことはないようだ。
 慣用句としてin the wake of ...(1)…のすぐ跡を追って. (2)…のすぐあとで, …の結果として とあるのでやはりこの訳が正しいのだろう。

 しかし、この当時の日本語訳なんて、ほとんどがいい加減なものだ。何でこんな日本語タイトルなんだ??って思うものはいくらでも見つかる。しかし、レコード発売に当たってアルバムのイメージと乏しい英語力で日本語タイトルをつけているのだ。
 「ポセイドンの跡を追って」ではなく、「ポセイドンの目覚め」は実にいいタイトルであったと思う。

Lizard / リザード

Lizard / リザード
 
1970/10 ★★
- SIDE A ---------------------------------------
Cirkus / サーカス
Indoor Games / インドア・ゲーム
Happy Family / ハッピー・ファミリー
Lady of the Dancing Water / 水の精
- SIDE B ---------------------------------------
Lizard / リザード
  Prince Rupert Awakes / ルパート王子のめざめ
  Bolero: The Peacock's Tale / ピーコック物語のボレロ
  he Battle of Glass Tears / 戦場のガラスの涙
  Big Top / ビッグ・トップ

- PERSONNEL -------------------------------------
Robert Fripp / ロバート・フリップ(ギター)
Gordon Haskell / ゴードン・ハスケル(ボーカル・ベース)
Mel Collins / メル・コリンズ(サックス・フルート)
Andy McCulloch / アンディ・マックローチ(ドラム)
Peter Sinfield / ピーター・シンフィールド(作詞)

 3作目リザードは、光沢紙のジャケットでデザインはがらりと変わる。KingCrimsonの名前がデザインされているのだが、今回もアルバムタイトルはジャケットにない。1枚目2枚目にはアルバムタイトルもバンド名もない!これは当時としては画期的である。

 さて、これほどわけのわからんアルバムもないだろうと言うくらい妙なアルバムだ。路線としては「ポセイドン」の流れがあるが、上手いのか下手なのか?「一体何がいいの?」と言う感想が出てきそうだ。
 これをプログレに興味のない友人に無理やり聞かせて、「どうだ。いいだろ」なんて言うと面白い反応があったり、友人をなくしたりするから、気をつけたほうがいい。
 この3作目は「宮殿」のちょうど1年後に出されたのであるが、当初クリムゾンの神秘的な世界の完結と行き詰まりを表現したようにも聞こえる。
 「ルパート王子のめざめ」を聞くとそのボーカルに驚く。なんとYESのジョン・アンダーソンが歌っているのだ。70年なのでYESは3枚目The Yes Albumを作成中の頃だ。LPでのB面1曲のリザードも、不思議な曲であるが、ジョンの歌うこの曲は実に美しい。

Island / アイランド

Island / アイランド
 
1972/4 ★★
- SIDE A ---------------------------------------
Formentera Lady / フォーメンテラ・レディ
Sailor's Tale / 船乗りの話
The Letters / レターズ
- SIDE B ---------------------------------------
Ladies of the Road / レディーズ・オブ・ザ・ロード
Prelude: Song of the Gulls / プレリュード:かもめの歌
Islands / アイランド

- PERSONNEL -------------------------------------
Robert Fripp / ロバート・フリップ
Boz Burrell / ボズ・バレル
Mel Collins / メル・コリンズ
Ian Wallace / イアン・ウォーリス
Peter Sinfield / ピーター・シンフィールド

 リザードから1年半に発表のこのアルバム、明らかに前作で躓いて、新しい方向性を模索している。しかし7枚のスタジオアルバムの中で最もわけのわからん作品だ。
 個人的には「レターズ」や「フォーメンテラ・レディ」が好きだが。「プレリュード:かもめの歌」はインチキクラシックみたいで、ロックバンドのアルバムにこんな曲が入っていてもどうかと思う。決して悪い曲ではなく、美しく良い曲ではあるのだが、クリムゾンのイメージはなかった。フリップが作曲し、演奏はオーケストラだけなのだ。メンバーは複雑な気持ちじゃないのかな。
 クリムゾンはその音楽性で評価が高いのだが、ピート・シンフィールドの歌詞は脅威だ。これがポップ・ロックの歌詞か?!?と思わせるものがほとんどだ。中でも私が最も衝撃を受けたのが「レターズ」である。次の訳は引用である。鳥肌の立つ歌詞だ。

KING CRIMSON 和訳集

 このほかにもほぼすべての和訳がある。

「レターズ(手紙)」
羽軸に銀のナイフを使い
女が削り出した毒のペン
恋しい人の妻に宛ててこう書いた
「あなたの夫の宿した種が私の中で育っています」

まるで癩者の顔のように
それは優美な手紙を汚らわしいものに変えた 
妻は喉に石が詰まったように息苦しく
目は涙で盲い闇雲に一日走り回った 

氷の釘に突き刺され
エメラルドの炎に晒されて
雪の様な魂を持った妻は
きっぱりとした手つきで書き始める

「私はいたって平静です
男どもに仕える人生なんてもう沢山です
あなたに捧げた私の人生もお終いです
朽ちるべきこの肉体とお別れを致します」
 「フォーメンテラ・レディ 」 静かな美しい曲である。サビこそ印象的なベースが聞かれるが、それ以外はピアノとフルートがメインの不気味に美しい曲だ。

 「船乗りの話」 速いテンポの曲なのだが、なぜか優しさを感じる不思議なメロディー、 歌詞のないインストゥルメンタルで、サックスと控えめなディストーションのギターが静かに戦う。急緩急の構成で緩の部分はメロトロンに乗せて一風変わったギターソロ、後半はメロトロンとドラムが炸裂の幻想世界を作り出す。これはクリムゾンでなければできないなぁ。

 「レターズ 」 名曲と言うか問題作と言うか、私の好きな曲である。これも静かな静かな始まりだ。ギターのアルペジオに乗せて歌が始まる。暗く美しいメロディから、突如ブラスの不気味なフレーズが叩きつけるがそれもすぐに終息、サックスのソロが鳴り響きやがて静寂を突き破る第3節。この曲はなんと不思議な響きを持った歌だろう。ボーカルも実に魅力的である。しかしこれはポップミュージックではない。

 「レディーズ・オブ・ザ・ロード 」 このアルバムの魅力はボーカルの不思議さなのかなぁ。この曲もフリー・ジャズ的なサックスと妙なリズム、メジャーかマイナーか区別もないフレーズと唐突な展開に溢れた曲だ。歌詞にいたってはまるで訳がわからない。ギター・プレイもさらっとしていてそれほど「スゲッ!」なんて感じはないのだ。

 「プレリュード:かもめの歌」 弦楽四重奏のピチカートをバックに、フルートがそれはもう美しいフレーズを奏でる。 どう聞いてもこれはクラッシクだ。バロックの雰囲気にモーツアルトの優しさを加えたような曲である。

 「アイランド」 ピアノとフルートをバックに、いきなりボーカルが始まる。これも美しく悲しい歌だ。 どれもそうなのだが、歌詞はあまりに文学的で、日本語訳を読んでいると訳もなく涙が出そうになる。このアルバムには、「宮殿・・・」や後期のアルバムのような強烈な刺激や、派手な演奏はまるでない。ギター・ソロが聞けるものほんのわずかだ。
 しかし、この穏やかな印象は一体なんだろう。「アイランド」は後半静かにドラムとメロトロンがゆっくりと加わってくる。静かな静かな感動が溢れてくる。そこに優しい優しいサックスが「泣き」ではないメロを奏でる。これこそONE&ONLYの世界だ。これを発表したクリムゾンはすごい。

Larks’ Tongues in Aspic / 太陽と戦慄

 Larks’ Tongues in Aspic / 太陽と戦慄
1973/5 ★★★★
- SIDE A ---------------------------------------
Larks' Tongues in Aspic, Part One / 太陽と戦慄パートⅠ
Book of Saturday / 土曜日の本
Exiles / 放浪者
- SIDE B ---------------------------------------
Easy Money / イージー・マネー
The Talking Drum / トーキング・ドラム
Larks' Tongues in Aspic, Part Two / 太陽と戦慄パートⅡ

- PERSONNEL -------------------------------------
David Cross / デビッド・クロス
Robert Fripp / ロバート・フリップ
John Wetton / ジョン・ウェットン
William Bruford / ウィリアム・ブラッフォード
Jamie Muir / ジェミー・ミューア

 ジャケットの画像は私が撮影したものだが、このアルバムを取り出してがっくりきた。あまりにも汚いのだ。次の「暗黒の世界」はさらに酷い。保存状態が悪かったからなぁ。この2枚は白なので特に汚れが目立つし、「暗黒の世界」は紙質がデリケートなのだ。最近はCDも紙ジャケがはやりだが、程度のいいLPアルバムなんてもう手に入らないだろうなぁ。
 アイランドに少々がっかりしていたのだが、これには飛び上がるほど驚いた。ロバート・フリップ以外はすべて新メンバーとなった新生クリムゾンは、「宮殿」以上の衝撃を持ったアルバムだった。
 この「太陽と戦慄」「暗黒の世界」「レッド」は3部作といった感じで、どれも優れているのであるが、やはりNo.1はこの「太陽と戦慄」ではないだろうか?
 演奏の基本がギター・ベース・ドラムでどれも同じだけの重要度を持ってその3つが複雑な絡み合いを見せる。さらにメロトロンとデビッド・クロスのバイオリンが絡むのだ。

Starless and Bible Black / 暗黒の世界

 Starless and Bible Black / 暗黒の世界
1974/5 ★★★★
- SIDE A ---------------------------------------
The Great Deceiver / 偉大なる詐欺師
Lament / 人々の嘆き
We'll Let You Know / 隠し事
The Night Watch / 夜を支配する人
Trio / トリオ
The Mincer / 詭弁家
- SIDE B ---------------------------------------
Starless and Bible Black / 暗黒の世界
Fracture / 突破口

- PERSONNEL -------------------------------------
David Cross / デビッド・クロス
Robert Fripp / ロバート・フリップ
John Wetton / ジョン・ウェットン
William Bruford / ウィリアム・ブラッフォード

Red / レッド

 Red / レッド
1974/11 ★★★★★
- SIDE A ---------------------------------------
Red / レッド
Fallen Angel / 堕落天使
One More Red Nightmare / 再び赤い悪夢
- SIDE B ---------------------------------------
Providence / 神の導き
Starless / 暗黒

- PERSONNEL -------------------------------------
Robert Fripp / ロバート・フリップ
John Wetton / ジョン・ウェットン
William Bruford / ウィリアム・ブラッフォード

USA / ユー・エス・エー

 USA / ユー・エス・エー
1975/
- SIDE A ---------------------------------------
Larks' Tongues in Aspic, Part Ⅱ / 太陽と戦慄パートⅡ
Lament / 人々の嘆き
Exiles / 放浪者
- SIDE B ---------------------------------------
Asbury Park / アズベリー・パーク
Easy Money / イージー・マネー
21st Century Schizoid Man / 21世紀の精神異常者

- PERSONNEL -------------------------------------
David Cross / デビッド・クロス
Robert Fripp / ロバート・フリップ
John Wetton / ジョン・ウェットン
William Bruford / ウィリアム・ブラッフォード

Exposure / エクスポージャー / Robert Fripp / ロバート・フリップ

 Exposure / エクスポージャー / Robert Fripp / ロバート・フリップ
1979/1 ★★★★
- SIDE A --------------------------------------
Preface / 序章
You Burn Me Up I'm A Cigarette
    / ユー・バーン・ミー・アップ・アイム・ア・シガレット
Breathless / 呼吸困難
Disengage / 開放
North Star / 北極星
Chicago / シカゴ
NY3 / ニューヨーク・スリー
Mary / マリー
- SIDE B ---------------------------------------
Exposure / エクスポージャー
Häaden Two / ヘーデン・ツー
Urban Landscape / アーバン・ランド・スケイプ
I May Not Have Had Enough of Me But I've Had Enough of You
    / アイ・メイ・ナット・ハブ・イナフ・オブ・ミー・バット・アイブ・ハドゥ・イナフ・オブ・ユー
First Inaugural Address to the IACE Sherborne House / アイ・エー・シー・シャーボーン・ハウス就任演説
Water Music I / ウォーター・ミュージック・パート・ワン
Here Comes the Flood / 洪水襲来
Water Music II / ウォーター・ミュージック・パート・ツー
Postscript / 追伸

- PERSONNEL -------------------------------------
Robert Fripp / ロバート・フリップ / guitars, frippertronics, voice
Daryl Hall / ダリル・ホール / vocals, piano
Terre Roche / テレ・ロシェ / vocals
Peter Hammill / ピーター・ハミル / vocals
Peter Gabriel / ピーター・ゲイブリエル / vocals, piano
Tony Levin / トニー・レビン / bass
Jerry Marotta / ジェリー・マロット / drums
Narada Michael Walden / ナラダ・ミッシェル・ウォルデン / drums
Phil Collins / フィル・コリンズ / drums
Brian Eno / ブライアン・イーノ / synthesizer, voice
Barry Andrews / バリー・アンドリューズ / organ
Sid McGinnis / シド・マッギンズ / rhythm guitar, pedal steel guitar

 ロバート・フリップの初のソロ・アルバムである。このアルバムは力いっぱい妙だ。話し声や足音、不気味なコーラスの後には電話の音。そして始まるのはロックン・ロールだ。なんだこりゃ?「私はタバコ、火をつけて」?

 次の「Breathless / 呼吸困難」は後期クリムゾンを彷彿とさせるギターリフ!これはカッコいい!変拍子のリズムがほとんどクリムゾンそのものだ。これが聞きたくて買ったアルバムだった。でもドラムとベースがいまいちかなぁ。

 「Disengage / 開放」もハードなクリムゾン・ロックが楽しめる曲だ。ボーカルがクレイジーだなぁ。いかにもフリップらしいギターが楽しめる。けどあっさり終わってしまう。
 「North Star / 北極星」は静かなバラード風の曲、意外と良い曲だ。ボーカルが生き生きとしていて大人のスローなロックって感じだ。

 「Chicago / シカゴ」は重苦しいベースで始まるブルース風、これはクリムゾンとは違うなぁ。続く「NY3]は再びフリップのギターが炸裂!「your house! my house!」と叫ぶボーカルがカッコいい。ドラムもイケてますね。スリルと緊張感が楽しめる。ゾクゾクする曲である。

 「Mary / マリー」はクリーンなギター・アルペジオをバックに透明感溢れる女性ボーカルが美しい。これも実に良い曲だ。不思議なことだがいかにロバート・フリップらしい曲だなぁと感じる。

 「Exposure / エクスポージャー」アルバム・タイトル曲「エクスポージャー!」と叫ぶように歌う歌詞とフリップの意味不明な喋り、コーラスはEXPOSUREのアルファベットと順に歌うコーラス。演奏は淡々と同じパターンを繰り返しながら、突然の終息。妙な曲だ、これも。

 さて、こっからがさらにわけのわからん風だ。喋り声、笑い声、ハムノイズ?「なんたら就任演説」とかまったく何を考え作っているのやら。突然始まるハードなロックは「I May Not Have ・・・」の長いタイトル。ボーカルは男女の掛け合いでケンカするように叫び合う。心臓に悪い。でもカッコいい曲だな。ギターも楽しめる。終わり方がめちゃ心臓に悪い。びっくりした。

 「なんたら演説」は本当になにやら演説をしている。なんだろ?「Water Music」は何も1曲にしなくたっていいのに変なの、大体曲の切れ目すらはっきりしてないのに!

 でも「Here Comes the Flood / 洪水襲来」は素晴らしい曲、ピアノをバックにピーター・ゲイブリエルの感動的なボーカル。バックにはフリップの静かなギターフレーズとシンセ、情景をかもし出す雰囲気が鳥肌モノだ。
 久しぶりにこのアルバムを聞いたが、この曲だけは大好きだったのでよく覚えているのだが、絶対ピーター・ゲイブリエルのソロアルバムに入っている曲だと信じていた。つまりこのアルバムの曲ではないと思っていたのだ。

 全体的に曲が多く散漫な印象を持っていたが、改めて聞くと非常に良い曲が多い。クリムゾン後期のアルバムが好きなら聞いて損はない、と言うか是非聞いて欲しいアルバムだ。
 

ROBERT FRIPP - Frippertronics on Midnight Special 1979

 1979年エクスポージャーを出した頃の映像、オープンリール・テープのバッキングでフリップのギターが静かに歌う。

 個人的には非常に好きな音楽である。美しい。これは今回初めて知った。

 「エクスポージャー」は発売と同時に購入、当時私は20才だった。これがクリムゾン系の最後のアルバムである。

 時は80年代に差し掛かる。プログレ・ファンとしてはものたりないと感じたのだろう、キング・クリムゾンへの執着はここで終わってしまった。