プログレッシブ・ロック・レコード・レヴュー

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プログレッシブ・ロックとアルバムの個人的随想

Italian Progressive Rock / イタリアン・ロックは悲しくも美しい

 プログレッシブの意味は「進歩的」である。つまりプログレッシブ・ロックはそれまでにない新しい音楽を模索するロックである。その点でヨーロッパのロックがそうであるかといえば、疑問な点もある。

 しかし、プログレッシブ・ロックの様式をより突き詰めたのはイタリアを初めとするヨーロッパのバンドではないだろうか。特にクラシカルな要素をふんだんに取り込んだイタリアン・ロックは、演奏技術の高さやアイデアはイギリスのロックバンドをを遥かに凌ぐのではないか?
 事実イタリアのバンドはプログレファンにかなり受け入れられた。ニュートロルスやオザンナはその代表である。

 キング・クリムゾンの影響がどうだとか、よく言われる話ではあるが、ユーロ・プログレにはイギリスのバンドにはない独特の美しさと悲しさがある。
 ユーロ・プログレを聞くと思い起こすのが、中世的な暗黒と不気味さとロマンだ。その雰囲気はユーロ・プログレ独特のものである。

 さて、ユーロ・プログレッシブはイギリスのバンドが作ったプログレッシブの様式を踏襲しただけの「進歩的」でないプログレッシブ・ロックなのだろうか?

 ユーロ・プログレッシブ・ロックの名盤と言われる「パレポリ」「666」「コンチェルト・グロッソ」は71年,73年の発表だ。つまり、イエス、クリムゾン、EL&Pとほとんど平行してアルバムを出しているだ。

 決して後発・フォロアーではないだ。これらのアルバムはクリムゾンが「太陽と戦慄」を出す前に作られている。キング・レコードのユーロピアン・コレクションが発売されたのが79年、イギリスのプログレバンドが変化を余儀なくされた頃である。多くのファンがこのシリーズでユーロ・プログレを始めて知ったとすれば、ファンはKYEPを聞き込んだ状態で聞いているはずだ。

 その結果、これはイエス風、これはクリムゾンの・・・、などと判断してしまうのは当然だろう。しかし前述のように実際にはイギリスとヨーロッパでは同時進行だったのだ。事実ブリティッシュ・プログレの影響など微塵もないバンドさえある。

 ユーロピアン・プログレは決してただの形式を踏襲しただけのプログレではないと思う。
 80年になると音楽のシーンに現れたのがパンクだ。今思うと音楽は生き物なのだなぁ。プログレがプログレでなくなってきたのだ。
 聞く側も作る側も、行き詰まりを迎えたのだと思う、そんな中でヘタウマなんていわれるパンクが若者の興味を捉える事態が発生する。

 しかし、プログレ・ファンにはこれは許せない。パンクなんてロックじゃない!!!

 もっとプログレが聞きたい!

 そんな状況下で作られたのがユーロ・プログレのシリーズなのだ。冷静に考えるとかなり商業的な戦略も感じられるのだが、私も含め、多くのプログレ・ファンはユーロ・プログレを水を得た魚のように聞きまくったのだ。

Concerto Grosso N゜1 / コンチェルト・グロッソ N゜1 / NEW TROLLS

Concerto Grosso N゜1 / コンチェルト・グロッソ N゜1 / NEW TROLLS
 
1971/ ★★★★★
- SIDE A ---------------------------------------
1 tempo: Allegro
 / 第1楽章アレグロ
2 tempo: Agagio(Shadows)
 / 第2楽章アダージョ
3 tempo: Cadenza‐Andante Con Moto
  / 第3楽章カデンツァ
4 tempo: Shadows (per Jimy Hendrix)
  / 第4楽章シャドーズ
- SIDE B ---------------------------------------
Nella Sala Vuota / 空間の中から

- PERSONNEL -------------------------------------
Gianni Belleno / ジアーニ・ベレーノ / ドラムス・ボーカル
Giorgio D'adamo / ジョルジョ・ダダモ / ベース・ボーカル
Nico Di Palo / ニコ・ディ・パーロ / ギター・ボーカル
Vittorio De Scalzi / ヴィットリオ・デ・スカルツィ / キーボード・ボーカル

 プログレッシブ・ロックに関心を持たない人は、このアルバムをどう思うのだろうか?果たしてこれはロックか?バイオリン・フルート・チェンバロをメインのリードに使うインストゥルメンタル、しかもタイトルは「合奏協奏曲」第1楽章~第4楽章だ。
 そしてそのサウンドは日本人好みの超泣きのメロディーを「これでもか!」と言うぐらいにたたみかけてくる。その美しいサウンドに思わず涙するか!?あるいは笑うか??
 
 しかし、プログレ・ファンにとっては最高のアルバムであり、非常に高い評価を受けているのは事実だ。特に第3楽章は素晴らしい。チェンバロとバイオリンに始まりやがてストリングスとベース・ドラムが盛り上げてくる。ギターもブルースとはまるで違う泣きのフレーズだ。

 B面は聞かれることがない、と言われるほど人気がないのだが・・・、つまりA面の曲だけで名作と言われる評価を得ているのだな。これもまた、別の意味ですごい。

Concerto Grosso N゜2 / コンチェルト・グロッソ N゜2 / NEW TROLLS

Concerto Grosso N゜2 / コンチェルト・グロッソ N゜2 / NEW TROLLS
 
1976/ ★★★★★
- SIDE A ---------------------------------------
1 Tempo:Vivace
 / 第1楽章ビバーチェ
2 Tempo:Andante(Most Dear Lady)
 / 第2楽章アンダンテ
3 Tempo:Moderato(Fare You Well Dove)
 / 第3楽章モデラート
Quiet Seas / 静かの海
- SIDE B ---------------------------------------
Vent Anni / 20才
Bella Come MaiLet /
It Be Me / 神のおもいのままに
Le Roi Soliei / 太陽王

- PERSONNEL -------------------------------------
Gianni Belleno / ジャンニ・ベッレーノ / ドラムス・ボーカル
Giorgio D'adamo / ジョルジョ・ダダモ / ベース・ボーカル
Ricky Belloni / リッキー・ベローニ / ギター・ボーカル
Nico Di Palo / ニコ・ディ・パーロ / ギター・ボーカル
Vittorio De Scalzi / ヴィットリオ・デ・スカルツィ / キーボード・ボーカル

 この2枚のアルバムを手に入れたのは1979年頃だったが、それ以来所有するアルバムの中では1番の宝物である。当時イタリアのバンドなどの情報が入ることはほとんどなかったのだが、1979年にキング・レコード から「ヨーロピアン・ロック・コレクション」というシリーズが発売された。
 イギリス以外のヨーロッパのロックを毎回6~8枚、10回ほど続き合計76枚のアルバムが発売された。しかも1回目は1枚1800円と言うお買得価格だった。
 これがきっかけで、ヨーロッパのプログレにはまってしまったのだが、中でもNEW TROLLS は最高のバンドで、演奏力表現力アイデア雰囲気どれもすばらしい。
 コンチェルトグロッソNo.2は輸入版で購入したのだが、このNo.2にはとんでもない事件が起こってしまった。
 このアルバムで最も好きな曲が第3楽章だ。曲をリードする生ギターが8分の11拍子で速いフレーズを奏で、そこにコーラスやオーケストラが絡む中世のイメージを醸し出す名曲である。

 この曲はレコードを買うかなり前に、ラジオで聞いて知っていた、それをテープにも録音していたので、何度も聞いていたのだ。
 しかし、そのときはこの曲が NEW TROLLS のものとは知らなかった。曲名もバンド名もわからず、一番のお気に入りテープだったのだが、ある日兄が勝手に使い、なんとアバを録音してしまったのだ!かなりのショックであった。

 数年後、NEW TROLLS を知り、No.1を聞いて気に入った私はNo.2 を探し回った。No.2は「ヨーロピアン・ロック・コレクション パート7」には入っていたのだが、買い損ねたのだ。
 ようやく見つけた No.2 だが、中古の輸入版で2800円だったと思う。当時ではちょっと高価だ。しかし、この第3楽章を聞いて、驚いた。「あの曲だぁ!!」

 しかし、悲運は続く。購入から2週間後、今度は妹が不注意からこのレコードを落としてしまうのだ。運悪くレコードに傷がついてしまった。それもなんとこの第3楽章の部分きっちりに、聞くに堪えないほどの深い傷をつけてしまったのだ。
 私にとって、最高にすばらしい悲運の曲なのである。


 あれから25年以上経ってインターネットが自由に使えるようになると、便利なものだ。久しぶりに聞いた NEW TROLLS をCDで探すと、いとも簡単に手に入れることができた。しかもNo.1 と No.2 が1枚のCDにセットになっているではないか!!聞いたことがない人は是非手に入れて欲しい。

Concerto Grosso N゜3 / コンチェルト・グロッソ N゜3 / NEW TROLLS

 2007年4月 YouTubeで見つけました!シリーズ3作目です!すごいなぁ。65歳くらい?だと思うのだけど、このビデオは映像も曲もカッコいい。
これは素晴らしい、N゜2から31年後だというのに、まさにConcerto Grosso である。

New Trolls - Concerto Grosso 3 (The Knowledge)

Concerto dei New Trolls - Concerto grosso (Trilogy) 2016

L.I.V.E.N.T. / ライブNT / NEW TROLLS

L.I.V.E.N.T. / ライブNT / NEW TROLLS
 
1979/ ★★★
- SIDE A ---------------------------------------
Ho Veduto / 秘密
Signore, Io Sono Irish / 私はアイリッシュ
Una Miniera / 鉱山
Suite Disco / ディスコ組曲
Una Notte Sul Monte Cavo / 禿山の一夜
- SIDE B ---------------------------------------
Concerto Grosso N゜1-ADAGIO / コンチェルト・グロッソN゜1-アダージョ
Concerto Grosso N゜2-VIVACE / コンチェルト・グロッソN゜2-ヴィヴァーチェ
Le Roi Soleil / 太陽王
Let It Be Me / レット・イット・ビー・ミー(神のおもいのままに)
Vent'anni / 20才

- PERSONNEL -------------------------------------
Gianni Belleno / ジャンニ・ベッレーノ / ドラムス・ボーカル
Giorgio D'adamo / ジョルジョ・ダダモ / ベース・ボーカル
Ricky Belloni / リッキー・ベローニ / ギター・ボーカル
Nico Di Palo / ニコ・ディ・パーロ / ギター・ボーカル
Vittorio De Scalzi / ヴィットリオ・デ・スカルツィ / キーボード・ボーカル
 ニュートロルスのライブ版である。発売は79年だが、演奏はコンチェルト・グロッソN゜2と同じ時期である。音質が悪い等の理由で当時はお蔵入りとなった。

 曲はA面はコンチェルト・グロッソ2以前のもので、残念ながらこれらの曲のスタジオ版は聴いたことがない。しかし、期待を裏切るような作品は1曲もない。

 4のディスコ組曲は名前が変だが、ニュートロルスの演奏を楽しめるスピード感に溢れた秀曲だ。さらにムソルグスキーの「禿山の一夜」これが素晴らしい。

 B面はコンチェルト・グロッソからの曲だが、オーケストラはなくキーボートとギターがこれに変わる、あらためてスタジオ版と聞き比べると音の悪さも伴って、ちょっと雑に聞こえるが、ライブで聴くには最高だろう。

 どの曲もライブ用のアレンジが施されていて、スタジオ版との違いが楽しい。ニュー・トロルスは演奏の技量も高いのだが、コーラスも素晴らしい。5人全員が歌えるのはもちろん、超高音から超低音まで、5人の声域がカバーしている。また、発声そのものもファルセットから地声まで、さまざまな色調で楽しめる。特に「太陽王」の掛け合いのコーラスは素晴らしい。

UT / NEW TROLLS

UT / NEW TROLLS
1972/
- SIDE A ---------------------------------------
Studio / スタジオ
XXII Strada / 22番通り
I Cavalieri Del Lago Dell’Ontario / オンタリオ湖の騎士達
Storia Di Una Foglia / 木ノ葉の物語
Nato Adesso / 誕生
- SIDE B ---------------------------------------
C'E' Troppa Guerra / 大戦争
Paolo E Francesca / パオロとフランチェスカ
Chi Mi Pu? Capire / 誰が知るか

- PERSONNEL -------------------------------------
Nico Di Palo / ギター・ボーカ
Gianni Belleno / ドラムス・ボーカル
Frank Langelli / ベース
Maurizio Salvi / キーボード
Vittorio De Scalzi / ギター

NEW TROLLS discography / ニュー・トロルス アルバム

1968 / Senza Orario, Senza Bandiera
1970 / New Trolls
1971 / Concerto Grosso No.1
1972 / Searching For A Land
1972 / UT
1976 / Concerto Grosso No.2
1976 / New Trolls Live
1978 / Aldebaran
1979 / New Trolls
1981 / F.S.
1983 / America O.K.
1985 / Tour
1988 / Amici
1992 / Quelli Come Noi

***

***

 YouTube でNEW TROLLS を見つけたが、

「なんだこりゃ??」

 アメリカのTVかなんかのようだが、どうしようもなくダサい。聞くと、悲しくなるのので、聞かないほうがいい。

 どうも、NEW TROLLS はコンチェルトグロッソだけのイメージではないらしい。初期のアルバム・ジャケットなどを見ると、アイドル・グループ的な感じさえある。多様な側面があるのかもしれないが、このクリップはまるで、へなちょこビージーズみたいだ。 悲しい。

PALEPOLI / パレポリ / Osanna / オザンナ

PALEPOLI / パレポリ / Osanna / オザンナ
1973/ ★★★★
- SIDE A ---------------------------------------
Oro Caldo / 熱い時
Stanza Citta / スタンツァ・チタ
- SIDE B ---------------------------------------
Animale Senza Respiro / すばやい獣たち

- PERSONNEL ---------------------------------
Elio D'anna / エリオ・ダーナ / フルート、サックス
Lino Vairetti / リノ・ヴァイレッティ / ギター、キーボード
Danilo Rustici / ダニーロ・ラスティーチ / ギター、キーボード
Lello Brandi / レロ・ブランディ / ベース
Massimo Guarino / マッシモ・グアリーノ / ドラムス
 「パレポリ」は70年代前半のイタリアン・ロック・シーンのムーヴメントにおける重要な一頂点を形成する作品として、また、同時に世界にも類を見ない、まさにイタリアン・ミュージックとの輝かしい調和に到達した、いってみれば、”芸術空間としてのロック”創造の旅に向かった勇敢な男達が残した、ひとつの鮮烈な記念碑である。

 以上ライナー・ノーツからの抜粋である。現在ネットを検索してみてもこの「パレポリ」はオザンナの傑作アルバムであるばかりでなく、イタリアのロックシーンにおいても重要な作品として高い評価を得ているアルバムなのだ。

 しかしだ。当時単にジャケットとオビが気に入っただけでこのアルバムを購入した私は、はっきり言ってがっかりした。「なんだ、こりゃ?」いったい何がどういいのだろう???まるで感動も興奮もないではないか!キング・クリムゾンの影響・・・とかなんとか、ただのわけのわからんゴチャゴチャ音楽にしか感じなかったのだ。

 そして、それ以来25年間封印されたアルバムとなったのだ。それを今回25年ぶりに聞いてみた。

 絶句!である。素晴らしい。音楽はそれを聴く素養や経験が必要なのだろう、今改めて聞くとその情景を描き出すサウンドは名盤と言われるのも当然である。

 1曲目は、中近東あたりを思わせる雑踏の効果音と静かなドラムにフルート、そして意味不明な静かな歌から始まる。

 やがてスピード感溢れるフレーズで曲が動き出す。リズム感もよくスリリングな曲、ギターもドラムもベースも上手い。テープの逆回し効果音が古さを感じるが効果的だ。急・緩・急の定番構成で後半は最高の興奮が味わえる、鳥肌モノですね。

 A面は1曲目と2曲目の区別がはっきりしないのですが、この「熱い時」が一番好きです。

 続く2曲目めでは、メロトロンとフルートが炸裂の感動の曲、イタリアン・ロックは微塵も歌詞が解らないので、言葉によるイメージがまるでない。すべてはサウンドのみ。イタリア語の語感は不思議で、プログレの幻想的雰囲気を盛り上げるにも一役かっているだ。

 さてB面だが、このアルバムが当時気に入らなかった理由が解った。A面最後にもあるのだが、B面の冒頭部分のリフがあまりにも前衛的で「わけわからん」のだ。なんと言っていいのか、ドシャメシャ・リズムで美しくない不協和音の連続、かっこよくないのだ。

 この部分が終わると、曲は静かに始まる。ここからでもいいのになぁ。
 途中にもこのちょっとフリー・ジャズみたいなドシャメシャリズムと「リザード」「ポセイドン」で聞いたようなリフが出てくる。部分的にはすごく良いメロディーもあり、演奏も素晴らしい。構成が複雑で、次々と魅力的なメロディーが現れるので退屈する事もない。

 しかし最後はまた冒頭のリフが出てくる、今度は超絶なコーラス付だ。なんか体が狂ったように飛び跳ねてしまいそうなリズムなんだな。これは好みが分かれるところだ。
 何度も、聞いていると癖になるかも知れない・・・!

 全体としてキング・クリムゾンの影響は確かに感じられるが、これは明らかにオザンナ・オリジナルでマネだと感じるところはまるでない。

 最終結論「やはり、傑作である。気合を入れて聞こう」

1978 gli dei se ne vanno, gli arrabbiati restano! / 1978 / AREA / アレア

1978 gli dei se ne vanno, gli arrabbiati restano! / 1978 / AREA / アレア
1978/
Il Bandito Del Deserto / 荒野の追放者
Interno Con Figure E Luci / 形と光りの中
Return From Workuta / ワークータから帰る
Guardati Dal Mese Vicino All'Aprie / 4月頃から
Hommage A Violette Nozieres / 精神錯乱
Ici On Dance! /
Acrostico In Memoria Di Laio / ライオの記念
"fff" (festa, farina e forca) /
Vodka Cola / ウォッカ・コーラ

Essere O Non Essere? Essere,Essere,Essere! / Il Volo / イル・ボーロ

Essere O Non Essere? Essere,Essere,Essere! / Il Volo / イル・ボーロ
1975/ ★★★★
- SIDE A ---------------------------------
Gente In Amore / 愛につつまれて
a)Medio Oriente 249000 Tutto Compreso
  / 中近東249000 コスモス~宇宙
b)Canto Di Lavoro / 労働歌
Essere / エッセレ
- SIDE B ---------------------------------
Alcune Scene / あの情景
Svegliandomi Con Te Alle Del Mattino / 朝の目覚め
Canti e Suoni / 歌声は響き渡る

- PERSONNEL ------------------------------
Alberto Radius / アルベルト・ラディウス / ギター
Gabriele Lorenzi / ガブリエーレ・ロレンツィ / キーボード
Gianni Dall'Aglio / ジャンニ・ダラリオ / ドラムス
Mario Lavezzi / マリオ・ラヴェッツィ / ソング・ライター
Vince Tempera / ヴィンチェ・テンペラ / キーボード
Roberto Callero / ロベルト・カレロ / ベース

ジャケット内側の写真もカッコいいので!!

ジャケット内側の写真もカッコいいので!!
 短くも激しく燃え尽きたスーパー・グループ、イル・ボーロの伝説を生んだ最後のそして最良のアルバム。

 これはライナー・ノーツからの引用。メンバーが誰なのかもわからないのに、スーパー・グループとか言われてもイメージが沸かないものだ。要は後述の「フォルムラ・トレ」のアルベルト・ラディウスとガブリエーレ・ロレンツィが作ったバンドなのだ。

 彼らがどれくらい優れたミュージシャンであるかは、聞けば解る。しかし、あまりに情報が少ないので、聞かなければまるで解らない。でもこれは聞くべきアルバムだ。

「愛につつまれて」は、不思議な雰囲気の静かなギター(キーボード?)のフレーズで始まる。やがて曲は急展開しスピード感溢れるギター。緩急を繰り返しながらさまざまな展開を見せながら盛り上がっていく。これはなかなかカッコいい。

 「中近東249000」「労働歌」これはタイトルにもあるように、中近東を思わせる幻想的で不思議なロック。やはりギターがすごく上手い。意味不明のボーカルも曲を形作る一要素なので、意味が解らないことは曲の価値を下げるものにならない。まぁユーロの曲はみんな意味が解らないが、イタリア語とプログレは合いますね。この曲もスケールが大きい良い曲だ。

 「エッセレ」これは名曲。静かなキーボードをバックにボーカルで始まり、じわじわと盛り上がっていき、ん~鳥肌ものだな。メインはやはりさまざまな表情を見せるキーボード郡だ。アルバムの情景が見事にマッチするサウンドは後半に向けてさらに最高潮を迎える。歴史に残る感動的なプログレ作品である!唯一の不満は短いことだ。もっと長い曲にして欲しかった。

 「あの情景」イル・ボーロはこのアルバムしか持っていないのだが、どの曲も不思議で実に幻想的だ。聞いていると美しく穏やかな情景が目に浮かぶ。中世的な暗黒さや呪術的な不気味さを感じることがない。かといってメロディーには、まるでポップ感などない。比較して似ているサウンドを思いつかないので、言葉ではなんとも表現できない音なのだ。

 「朝の目覚め」安易なタイトルだなぁ。曲はさわやかな朝の目覚めって感じではなく、夜のイメージを感じるのだがこれも全体的には静かな曲で、ギターのブルースでもクラシックでもない、あえて言えばジャズ系のフレーズが美しい。最後はは「エッセレ」の雰囲気で盛り上がる。

 「歌声は響き渡る」震える声でかすかに聞こえるボーカルから始まるこの曲は、アルバム中良い意味で最も「わけのわからん」曲だ。強引な展開や、いきなり飛び出すサウンド、メジャー・マイナーが激しく入れ替わり万華鏡のようなサウンド・ワールドを作り出す。中盤からはさらにボルテージが上がり、「これは!」と感じる頃に終わってしまう!!何でもっと長くしないんだ!??

Sognando e Risognando / 夢のまた夢 / Formula 3 / フォルムラ・トレ

Sognando e Risognando / 夢のまた夢 / Formula 3 / フォルムラ・トレ
1972?/
- SIDE A ---------------------------------------
Sognando e Risognando / 夢のまた夢
 Fermo al Semaforo / 立ち止まった幻影
 Sognando / 夢
 La stalla con i Buoi / 夢からさめて
 Resognando / 再び夢見て
L'ultima Fogua / 朽ちゆく、一片の葉
 L'albero / 樹木
 Non Militrovo / 希望の灯も絶え
- SIDE B ---------------------------------------
L'utima / 朽ちゆく、一片の葉
 Finale / 終章
Storia Di Un Uomo e Di Una Donna / 男と女のお話し
Aeternum / 永遠
 Tema / テーマ
 Caccia / 狩り
 Interludio / 間奏曲
 Finale / 終章

- PERSONNEL -------------------------------------
Tony Cicco / トニー・チコ / ドラムス・ヴォーカル
Gabriele Lorenzi / ガブリエーレ・ロレンツィ / キーボード・ベース・ヴォーカル
Alberto Radius / アルベルト・ラディウス / ギター・ベース・ヴォーカル

PARSIFAL / パルシファル / I POOH / イ・プー

PARSIFAL / パルシファル / I POOH / イ・プー
1973 / ★★★
- SIDE A ---------------------------------------
L'anno, Il Posto, L'ora / 年・場所・時間
Solo Cari Ricordi / なつかしき想い出
Io E Te Per Altri Giorni / 君と僕の日々
La Locanda / 宿屋
Lei E Lei / レイ・エ・レイ
- SIDE B ---------------------------------------
Come Si Fa / コメ・シ・ファ
Infiniti Noi / 限りなきふたり
Dialoghi / 会話
Parsifal / パルシファル
 1a parte / パート1
 2a parte / パート2

- PERSONNEL -------------------------------------
Roby
Stefano
Dody
Red

 イ・プーというバンドははたしてどれくらい日本での知名度があるのだろうか?Google で検索をしてもほとんど出てこないに等しいが、8枚のアルバムが紙ジャケBOXセットで出ている。

 しかも、このアルバムが日本で発売された1979年すでに6枚のアルバムが日本で発表されており、2枚目のアルバムである「ミラノの映像」が日本でのデビュー作でミラノ・サウンドを確立、これは3作目なのだそうだ。

 でもその3作目は79年ユーロ・コレクションでの発売で、当時は日本未発表。ん~イタリアでは大ヒットを飛ばしたとライナー・ノーツにはあるが、当時の日本では話題にも上らなかったか??

 このアルバムだけでは、情報があまりに少ない。パーソネルはまるで不明。ウィキペディア英語版では見つからないのでイタリア語にチャレンジ!ウィキペディアイタリア語版を見るとオザンナすらない。

 ジャケットのメンバーは、中世の騎士のコスチューム。「愛とロマンを歌う騎士のイメージ・・・」とかなんとか、ライナー・ノーツにはあるが、なんだかコリャ怪しい。

 プログレというよりはアイドル・グループ?イタリアではNo.1のバンドでPFMと人気を二分しているなどとあるが、一体なんでこんなアルバム買ったのだろう?

 さて、それでは22年ぶりの試聴。
 アコースティックのギターに乗って2声でハモるボーカル、マイナーのメロディーが悪くない、優しい歌です。オーケストラが大胆に入りコーラスが盛り上がる。あら、これ悪くないですね。わかりやすい優しいメロがプログレって感じではないが、ルネッサンスに通じるオーケストラとの構成、決してアイドル・グループではないようです。(笑)

 2曲目はオーケストラのストリングスが効果的な泣きのメロディーだ。イタリアのバンドはボーカルの声質がやはり似ているのか、綺麗な声というより少し地声に近い発声法でこれがまた軟弱にならない良い雰囲気を出している。ん~泣けますねぇ。このメロディーは、さらに最後は泣きのギターが炸裂。

 3曲目はちょっとポップな感じですが、なんと言ってもオーケストラが素晴らしい。上手くプロデュースしています。チェンバロやフルートが効果的だし、ストリングのよさは鳥肌来ますね。これもコンチェルト・グロッソとは違ったイタリアの泣きのロックです。

 4曲目、生ギターのストロークにフルートで始まる牧歌的なワルツ、これも優しくわかりやすいメロディをもった歌です。比較的ポップでキャッチーなサビ、このあたりはイタリアン・アイドル・グループでもいいのかなと言った感じです。

 A面最後は静かに歌う締めくくり。A面はどれも優しく聞きやすいメロを持った秀作ですね。クリムゾンの激しさやイエスの演奏の緻密さフロイドのとんでもない発想なんてものは、期待できませんがオーケストラとのコンビネーションやメジャーをちらつかせながらのマイナーなメロディが実良い感じです。

 次はB面、
 思い出したのですが、この曲当時大好きでした。すごく良い曲です。2人のボーカルとフルート、ビートルズやムーディー・ブルースなどの影響のほうが強いのでしょう。楽器の構成がすごくいいですね。ストリングスがこれも効果的、やはりメジャー・マイナーが入れ替わり展開していくメロも最高です。

 2曲目は、ストリングで始まり静かなピアノをバックに歌い上げるバラード。美しい曲です。ストリングスが泣けるなぁ。

 3曲目、唯一のメジャーの曲、生ギターのアルペジオが良い感じです。全体に演奏は上手いですね。これもビートルズの影響を感じる作品です。これもすごく良い曲だと思います。

 最後は「パルシファル」10分の大作です。もちろんマイナーで泣きのメロディですが、ドラマチックな構成で、少しずつ盛り上げていきます。ギターのソロもいけてます。後半にはオーケストラが全面的に加わるのですが、ここでのハープがまた美しい。この後半部分のオーケストレイションは素晴らしいできですね。ルネサンスよりいいかもしれません。
 最後はなんとメジャー・コードで終わります。

 A面よりもB面のほうが遥かにいいできですね。全体的には思ったよりもずっと良いアルバムでした。プログレと言うことを意識せずに聞けば、美しく悲しく気持ちよく聞ける作品です。なんといってもオーケストラのアレンジが素晴らしいといえます。
 コンチェルト・グロッソが好きな方にはかなりオススメできます。また、数回出てくるギター・ソロもいかにもクラシカル・プログレの泣きのギターです。 

Luna / 火の鳥 / Luna / ルーナ

Luna / 火の鳥 / Luna / ルーナ
1980/6 ★★
- SIDE A ---------------------------------------
Sulla luna / 月の上で
L'isola / 鳥
Lou jean / ルー・ジーン
In concert / コンチェルト
- SIDE B ---------------------------------------
Firebird / 火の鳥
Serebade / セレナーデ
Un seme strano / 奇妙な種
Come va? / コメ・ヴァ?

- PERSONNEL -------------------------------------
Danilo Rustici / ダニーロ・ルスティチ / ヴォーカル・ギター
Joe Amoruso / ジョー・アモルーゾ / キーボード
Sabatino Romano / サバティーノ・ロマーノ / ドラムス
Dalio Franco / ダリオ・フランコ / ベース